コロナワクチンについて

コロナワクチンについてお知らせします

新型コロナ感染症の変異株が次々と確認される中、各自治体においてワクチン接種がやっと始まりました。
ここ数日、当会にメールや電話などワクチン接種に関する問合せや相談が大変多くなってきているので、お伝えしたいと思います。

Q:ワクチン接種して、筋無力症が悪くなリますか?
A:現在、ワクチン接種をして筋無力症が悪化したなどの報告は当会に入ってきていません。
顧問の先生や諸外国の患者団体の声明の中にもワクチンが原因で増悪を起こすという見解はありません。
個人差はありますが、一般の方々と同じような副反応(筋肉痛、倦怠感、発熱)はあるようです。すでに接種を終えた会員の方からも報告や体験談が寄せられています。

Q:ワクチンを接種したほうが良いのでしょうか?
A:接種するかしないかは、ご自身の判断になりますが、筋無力症の専門医である当会の顧問の先生方、世界各国の患者団体及び患者団体の顧問医は推奨するという考え方です。その理由は、筋無力症患者がコロナに罹患した場合、重篤になるリスクがとても高いため、少しでもリスクを低くし、罹患したとしても軽症で済むようにするためです。

※接種後の発熱や倦怠感などについてご不安な方も多いと思います。
先日当会で行いました、医療相談会で話され、会報新生「MG Japan68合号」で質疑応答の内容を転記いたしましたので、参考にしてください。

※ワクチン接種をしたからと行って、コロナに罹患しないわけではありませんし、体に定着するのにひと月ほどかかると言われています。ワクチン接種後も、無用な外出などは避け、手洗いうがいなどの感染予防に努めてください。

※長い自粛生活により、運動不足となり体力、筋力低下を起こしている方がいます。体調に合わせ、ストレッチや簡単な運動を心掛けてください。

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2021年4月7日 オンライン医療相談会
講師 東京医科大 増田眞之先生

Q:ワクチン接種後の副反応、発熱について
A:副作用は覚悟してください。理由は筋肉注射にあります。なぜこのワクチンは筋肉注射をしなければならないかと言うと、「樹状細胞」と言う免疫を記憶する細胞があります。この樹状細胞と言うのは、皮下に無くて、筋肉内に存在するので、アプローチできるところ、筋肉の中にワクチンを入れないことには話が始まらないのです。よくテレビで見るように針を根元まで入れて注射していますが、それが必要なのです。そうしないと、インフルエンザワクチン注射のように皮下に入ってしまい、必要としているワクチンの効果が得られず、1時間くらいで体から消えてしまうのです。したがって、三角筋に打つのですが、打った翌日は、全く病気のない方でも痛みで腕が上がらなくなってしまいます。そして、20代の若い方の方が熱が出やすいようで、特に2回目以降は熱が出やすく、38度台の熱が出て仕事を休むのも若い人ほど多いそうです。

 

これはもう決まりになっているので、気にする必要はないのですが、利き腕から打たなければいけない。何故かというと、腕の上がらなさ加減がファイザーだと、2回打つのですが、2回目の方が必ず副作用が強く出るそうで、発熱も腕の痛みも2回目の方を重視するからです。
ワクチンというのは個々を守ると言う一つの意味と、人類全体で免疫を持ってこの厄介なウイルスを駆逐しようと言った大きな目標があります。接種は本人が決める事ではありますが、実際に取り残されて抗体持っておらずコロナに感染した場合、かなり悪化することが予測されるので、受けていただいた方が良いと思っています。

ワクチン接種時の注意点ですが、接種後、打った先生が見えるところに1時間ぐらい居るぐらいの気持ちで行ってください。急性反応やアナフィラキシーショックが起きてもすぐに対応してもらうことが出来ます。接種後、時間が経ってからの発熱とか翌日の発熱、腕が上がらないに関しては1週間ぐらいで納まります。どうしても熱が出たら困ると言う方は、アセトアミノフェンの内服を出来るように主治医に相談してください。商品名でいうとカロナールなどで、アセトアミノフェンを400mg(200mg錠2つ)を半日に1回飲むと、発熱を抑えられるので、あらかじめ貰っておくのもいいです。実際、東京医大でも、医療従事者に投与するときには発熱を見越して、接種時に配布しています。

発熱が心配な方はあらかじめ飲んで行くのもいいです。発熱した場合は、カロナールを飲んで6時間たっていれば、400mgのカロナールを飲み様子をみてください。翌朝、熱が下がっていない場合、さらに400mgを追加して飲んでも大丈夫で、それでもなかなか熱が下がらない時は、かかりつけ医に相談してください。